第1章


 昔々のそれはずーーっと昔 今から8,000万年という 大昔のことです。

 そのころの穂別は、サンゴ礁がある暖かい海で、ここあた りにすむ動物仲間から「サンゴの海」と呼ばれいました。

 このあたりは、たくさんのアンモナイトや魚がすんでいる 平和な海でした。


 若いクビナガリュウの「ホッピー」は、このサンゴの海の 大きな岩かげに、一人ですんでいました。

近くには、からだが2mをこえるウミガメの「タートルじ いさん」と、殻が1mくらいもあるアンモナイトの「パキじ いさん」がすんでおり、ホッピーが小さいころからめんどう をみてもらっていました。

タートルじいさんもパキじいさんも、サンゴの海の主とい われ、このあたりでおこったできごとは、なんでも知ってい ました。


ある朝のことです。

ホッピーが目をさますと、あたりにはふだんの何倍もの数 の魚が泳いでいました。

はじめは、「どうしてこんなに魚がいるんだろう。」と、 不思議に思っていたホッピーも、スーッと首をのばすだけで おもしろいほど魚がとれるので、夢中になって食べていまし た。

そんなとき、むこうからホッピーの方へまっ黒なかたまり のようになって魚が逃げてくるにが目に入りました。

そうです。何かが魚を追いかけてくるのです。


それは、サメでした。 サメはすばやく魚をとらえては食 べています。

「これでは、ぼくやタートルじさんが食べ魚がなくなって しまう。」

そうおもったホッピーは、サメが一匹であることを確かめ 自分のすぐ近くまでくるのをまちいきなりとびかかって、横 っぱらにかぶりつきました。

サメは、びっくりして大暴れに暴れました。

でも、ホッピーは、二度三度とかみつき、とうとうサメを たおしてしまいました。


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