米次郎物語(米次郎米子編)

僕たち,私たちは米です。
遠い遠い稲里に運ばれてきました。
わーしゃっこい水だ。毎日毎日しゃっこい水をかけられます。
次の日もしゃっこい水でおこされました。
そのときです。頭を見てみたら白い太い髪の毛がでていました。なんだか,ナメクジみたいだなあと思った米子と米次郎は,
足下を見てみるといつの間にかかわいた土の上に立っていました。米子と米次郎は乾いた土の上を観察していました。
そのとき頭を押されて乾いた土の中にぐいっと入れられてしまいました。周りを見てみるとほかの米たちも土に埋められていました。
また,水をかけられました。頭からじょじょに足のところまできて,また,しゃっこくなりました。水が引いたと思ったら,また,かけられ,また引いたと思ったら,またかけられます。そんなことが一週間続くと
頭の白い髪の毛が伸びてきてさきっちょが緑っぽくなってきました。はじめは白かったからおばあさんみたいだったのに,緑になってちょっと若返ったきがしました。
しばらくすると「ぽこん」と髪の毛が土の上に飛び出しました。米子が髪の毛だと思っていたのは実は,芽だったのです。白い髪の毛は全体が緑になってきてじょじょにふえて,太くなってきました。「うわっ,髪の毛が体よりでかい」「頭が重くて倒れそう」と米子と米次郎は思いました。頭がだんだん重くなってきたのでなるべく,たくさん寝るようにしました。数日たったある日,その日も寝ていたら,体がゆらゆら,土ごとゆらゆら,すると
土から土ごと持ち上げられました。まわりを見てみると銀色の船に乗せられるところでした。しばらくたつと,船は水の上に浮かべられました。船の使い方は、田んぼの水に浮かべて、その船の中に稲を入れて浮かべながら、移動をするものです。米次郎と米子は「わーすごーい」と思いました。その時、土ごと持ち上げられて水の中にずぼっと入れられてしまいました。
土ごと持ち上げられて水の中にずぼっと入れられてしまいました。
こうして,米子と米次郎は田んぼの中で育ち緑がどんどん大きくなってきました。そして,米子と米次郎は結婚して子どもを産みました。名前は米吉です。
米吉は水と栄養をたくさんすってすくすくと大きくなりました。
だんだん,稲の形になってきました。。米吉が大きくなってきたので,だんだんさきっちょがたれてきました。「わー今度こそ,倒れちゃう」と思いましたがなんとかがんばりました。
次の日,立派になった稲は刈り取られました。そして,逆さまにほされました。
米子と米次郎は,たおれなくてすんだので,ほっとしました。
でも,米子と米次郎は思いました。「そろそろ,米吉を一人だちさせたほうがいいんじゃないか」。さかさまにされて,一週間後,ついにその日が明日にせまりました。
いよいよおわかれが近づいてきました。「米吉がんばるんだよ」。米次郎は米吉をはげましました。「がんばってね」米子も続きました。

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